岐阜県羽島市の交通事故・むちうち・腰痛治療のご相談は丹菊整形外科へ
ある日突然、足母指の付け根や足部などに腫脹・熱感・発赤を伴って激しい痛みが生じます。
尿酸が溶けきれなくなると針状の結晶となり関節などに溜まります。
その結晶を白血球が食べに集まってくると、白血球から痛みを発する物質がでて激しい痛みを感じます。これが痛風発作です。
血液中の尿酸値が7.0mg/dlを超えると高尿酸血症と診断されます。
※尿酸値の正常値は 男性 3.8~7.0 女性 2.4~5.8
痛風の原因である「高尿酸血症」には3タイプがあります
■「産生過剰型」 尿酸がたくさんつくられる
■「排泄低下型」 作られる量は普通ですが、身体から少ししか出ていかない
■「混合型」 尿酸が作られる量も多く、出ていく量も少ない
※日本人には「混合型」が多いと言われています
筋肉注射の治療
当院では、発作が続く間はまず、痛みに対する治療のみ行います。
消炎鎮痛剤の筋肉注射をして、発作の痛みを早期に沈静化させます。
※この時に尿酸を下げる薬を使うと発作が長引きやすくなるため使いません。
1~2回の筋肉注射と消炎鎮痛の内服でほとんどの場合、炎症を伴った疼痛は改善し、普通に歩行できるようになります。
1週間程で疼痛が沈静化したら、尿酸を下げる内服薬の服用と食事療法を併用して、血中尿酸値のコントロールを開始します。
食事療法
我々日本人にとって昭和40年代の食事の内容が適していると言われています。
その頃と現在の食事内容を比べたら、食材の種類・質・量において比較にならない程、豪華で美味しい食事を食べていることになります。
日常良い食材を食べていないと思っていますが、昭和40年代のものと比べては如何でしょうか?
今は素晴らしく良い物を食べていることに気づきませんか?
食事の内容を十分考えましょう。
■プリン体の一日の摂取量は400㎎までにしましょう。
尿酸値を下げるために、食品から摂取するプリン体を減らすことは重要です。
※食品のプリン体含有量(100gあたり)
【きわめて多い(300mg)】
鳥レバー・マイワシ干物・イサキ・白子・あんこう肝
【多い(200~300mg)】
豚レバー・牛レバー・かつお・マイワシ・大正エビ・マアジ干物・さんま干物
【少ない(50~100mg)】
ウナギ・ワカサギ・豚ロース・豚バラ・牛肉・マトン・ハム・ほうれん草・カリフラワー
【きわめて少ない(~50mg)】
コンビーフ・魚肉ソーセージ・かまぼこ・焼きちくわ・豆腐・鶏卵・果物・キャベツ・にんじん・大根・白菜・海藻類
■尿をアルカリ化して尿酸を排泄しましょう
余分な尿酸の7割は尿から排泄されます。
尿酸は酸性の液体に溶けにくいため尿をアルカリ化して排泄されやすくしましょう。
【尿をアルカリ化する食品】
ひじき・わかめ・昆布・干し椎茸・大豆・ほうれん草・ゴボウ・サツマイモ・にんじん等
【尿を酸性化する食品】
卵・豚肉・鯖・牛肉・あおやぎ・かつお・ホタテ貝・精白米・ぶり・まぐろ等
■水を一日2リットルのんで尿量を増やし、尿酸の排泄を促進しましょう
起床時・食事前・入浴時・就寝前 + 大量に汗をかいたとき・飲酒時に水分補給を心掛けましょう。
尿酸値を下げる薬を飲んでいても、痛風の発作が起こることがあります
長い間尿酸値が高い状態が続くと、関節のなかで結晶になり沈着します。その状態で尿酸値を下げる薬を服用すると結晶が溶けるようになります。ゆっくり溶けている時は問題ありませんが、何かの拍子に沈着していた結晶がはがれることがあります。その時に痛風発作が起こることがあります。
多くの方は疼痛が改善すると、尿酸を下げる内服薬の服用を忘れてしまい、血中尿酸値のコントロールをしなくなります。その結果痛風発作を繰り返し、その度に発作の治療をして痛みを改善させます。この発作を繰り返ししている間に、尿酸の結晶が皮下・関節に蓄積され、痛風結節を作ります。
●痛風結節
上図は発作を繰り返して足関節に痛風結節が形成され、自壊し、尿酸結晶が漏れ出てきています。このような状態になると、創傷処置が困難になりなかなか治りません。
●痛風による骨破壊
上図は痛風結節の方のレントゲンです。 関節周囲の骨が破壊されています。
今後修復することはありません。
このような事態を避けるため、血中尿酸値のコントロールが必要です。
Q1.どんな人がなりやすいの?
Q2.どうして発作が起きるの?
A.体内に蓄積された尿酸の結晶が原因となり関節炎などを起こします。 痛風による関節炎は急激に発症することが多く、一歩も歩けないほどの激痛になることもあります。 体の防御機構が尿酸結晶を異物と認識して排除しようとするために起こります。
Q3.痛風関節炎の起きやすい部位は??
A.足の親指の付け根が好発部位です(70%程度)。 そのほかに、足の甲・膝・手関節・肘にも起きることがあります。
Q4.痛風の原因になる『尿酸』とは?
A.人間の体内で繰り返されている代謝活動によって生じる物質です。筋肉の収縮時に利用されるエネルギーの貯蔵や利用にかかわるアテンション酸が分解される時に尿酸は作られます。
Q5.治療しないとどうなるの??
A.慢性腎臓病・尿路結石・メタボリックシンドローム・高血圧・心血管系疾患など様々な病気のリスクを高める危険があります。 尿酸値の低い人より高い人のほうが死亡率が高いという研究結果が報告されています。 発作を繰り返すと『慢性関節炎』に移行し尿酸結晶が大量に貯蓄したこぶができたり複数の関節で発作が起こるようになると重症化することがあります。