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障害部位が投手は肘の障害が有意に多く、捕手、内野手は肩の障害が有意に多かった。投手は肘の障害が多いのに対し、野手では肩に障害が多く見られます。野手、特に捕手で肩の障害が多かった理由としては、2塁への素早い送球を行うことや、座った状態で投手への返球を繰り返すなど、投手に比べ体幹の回旋を伴わない投球フォームが強いられるために、肩にストレスがかかっているものと考えられます。
野球は全身を使ってプレーするため、さまざまな部位を故障する可能性があるスポーツです。野球は投げる動作が多いことから、非常に肩を酷使するスポーツです。肩の怪我は特にピッチャーに多いですが、野手でも肩を痛めてしまうことはあります。次いで肘、腰、足部の順にケガを起こしやすいです。
ポジション別に多い外傷・障害を紹介します。
ピッチャーで特に多い障害は野球肘です。
野球肘とは成長期にボールを投げすぎること(オーバーユース)によって生じる肘の障害のことを言います。
投球時や投球後に肘が痛くなります。肘の伸びや曲がりが悪くなり、急に動かせなくなることもあります。
野球の投球動作は、ワインドアップ期、コッキング期、加速期、リリース減速期、フォロースルー期の5相に大別され、それぞれの期において受傷原因が異なります。
おもな野球肘の種類を紹介します。
野球肘の中で最も好発しやすい種類になります。肘の内側の骨の出っ張り部分(内側上顆)の成長軟骨が障害されます。徐々に肘の痛みが出て、初めのうちは投球後数時間で痛みはおさまってしまいますが、そのうちに痛みがおさまりにくくなります。肘の曲げ伸ばしも困難となってきます。
野球肘で最も重症になる障がいの1つです。ひどくなると関節軟骨の一部がはがれて関節ネズミとなったり、肘が変形して動きが悪くなったりします。初期に発見されれば投球を一時的に禁止し患部の様子をレントゲン、MRI、CT、エコーなどで経過を確認しながら慎重に復帰時期を検討していきます。末期になると手術が必要となり、手術をしても肘の動きの制限や変形が残ってしまうこともあります。主に13歳から17歳の発育期に発症します。
治療・手術
投球の中止が重要で、肘の安静が大切です。痛みを我慢して投球を続けていると障害が悪化して、症状によっては手術が必要になることもあります。
当院では、過流浴、筋肉のストレッチ、投球フォームの改善、筋力訓練などを行っていきます。リハビリテーションのみで改善されない場合や症状の状態によっては手術が必要となります。
手術には、骨に穴をあける方法、骨を釘のようにして移植する方法、肋軟骨や膝の軟骨を移植する方法などがあります。
野球肘のホームエクササイズ
手首のストレッチ 2
・ストレッチする手の平の上に反対の手を乗せて軽く下に引きましょう
・肘は曲げたまま行いましょう。
・手首周辺に心地よいツッパリを感じる程度に伸ばしましょう。
・5秒×3セット行いましょう。
肘から手首のストレッチ 1
・肘を最大まで伸ばして手の甲をつかみ、自分の体に近づけましょう。
・腕から手の甲が、心地よく伸ばされる程度の力で行いましょう。
・5秒×3セット行いましょう。
肘から手首のストレッチ 2
・肘を最大まで伸ばして手のひらをつかみ、自分の体にひきつけましょう。
・腕から手のひらが、心地よく伸ばされる程度の力で行いましょう。
・5秒×3セット行いましょう。
野球では投球動作はもちろん、ボールを打つときなどでも肩を使います。
野球肘に続いて野球肩も野球において生じる疾患の一つです。
野球肩とは、投球動作に関連して発症する肩障害の総称です。肩を使いすぎることによって発症するケースが多いとされています。
野球肩は、インピジメント症候群、上腕骨骨端線障害(リトルリーグショルダー)、関節唇損傷、動揺肩など複数の病気を含む疾患概念です。
肩の安静を保つなど保存的な治療で改善する場合もありますが、手術が必要となることもあります。
野球肩で主にみられる症状として多いものをいくつか紹介します。
上腕骨の先端の上腕骨頭というところが肩峰や烏口突起などに衝突して、炎症や損傷を起こす症状です。野球以外にもテニスなど、肩よりも腕を高く上げる動作が繰り返されることで発症します。肩を上げていくときに、ある一定の角度で痛みや引っ掛かりを感じ、それ以上腕を上げられなくなるのが特徴です。
投球フェーズのレイトコッキング期で、肩が最大に外旋した位置(肘が頭の後方に来るトップの位置)からボールを加速してリリースし、フォロースルーまでの間に肩は最大外旋から急激に内旋されます。
肩の開きが早かったり、肘が下がって肩にあそびができぶれると、肩関節の前方に大きな力が加わります。
前方に大きな力がかかると腕の骨(上腕骨頭)が屋根の骨(肩峰)に衝突し、その間にある腱や滑液包が炎症を起こしたり、損傷が起きます。
ボールを投げすぎると腱板は疲労し肩を支える力が弱くなり、肩がぶれてインピンジ(衝突)を起こしやすくなります。特にピッチャーやキャッチャーはボールを投げる機会が多いため、インピンジメント症候群になりやすい傾向にあります。
成長期の選手に多発する投球障害のため、リトルリーグショルダーとも呼ばれます。成長期の骨は大人に比べて強度が低いため、使い過ぎ(オーバーユース)により上腕骨の骨端線(成長線)に離開が生じます。
投球動作の中でボールをリリースするまでにかかる回旋ストレスとフォロースルー以降にかかる牽引力が原因と考えられています。それらの負担を助長する要因として上半身・体幹・下半身の柔軟性低下や筋力低下が挙げられ、「肘が下がる」「踏み出す足がクロスする」など投球動作が乱れることで、骨端線に過度な負担がかかり離れてしまいます。
主な症状は、投球直後の鋭い痛みです。放っておくと、成長障害が起こることがあります。
棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つの筋肉の腱の部分が集合したものを腱板といいます。腱板損傷とは、肩関節と腱板が衝突して起こる疾患です。過剰な肩の回旋運動によって生じます。痛みで腕が上がらなくなったり、痛みで眠れなくなったりします(夜間痛)。
腕を振り下ろす動作をしたときに、肩甲上の神経が締め付けられ、痛みやしびれ、疲労感など生じる障害です。テニスやバレーボールなど、野球以外のスポーツでも起こります。
治療
野球肩においては、まず肩の安静を保つこと、投球を控えることが重要になり保存的療法が基本になります。 投球フォームが適切でなく肩に負担がかかっていることもあるため、投球フォームの見直しも考慮すべきポイントです。いわゆる肘の下がったフォームは肩に負担がかかりやすいとされています。投球後のマッサージやアイシングなども重要となります。さらに、肩関節の強度を上げるために、肩関節の筋肉を補強するための筋力トレーニングも大切です。
リハビリテーションを行っても症状が改善しない場合や、スポーツ復帰をしても再発を繰り返す場合は手術が必要になってきます。
野球肩のホームエクササイズ
肩のストレッチ
・横向きに寝て、肩を外に広げ手を顔の前に持ってきます。
・反対の手で腕をつかみ、足のほうに倒しストレッチします。
・10秒×3セット行いましょう。
肩のストレッチ
・横向きに寝て、肩を外に広げ手を顔の前に持ってきます。
・反対の手で腕をつかみ、持ち上げストレッチします。
・10秒×3セット行いましょう。
肩のストレッチ
・横向きに寝て、肩を外に広げ手を顔の前に持ってきます。
・反対の手で腕をつかみ、ななめ45°の方角に持ち上げストレッチします。
・10秒×3セット行いましょう。
肩の運動
・左の図のように卍のような形を作ります。
・今度その形を上下逆の形になるようにします。
・この動作を交互に繰り返し行います。
・交互に20回×3セット行いましょう。
肩甲骨の運動
・四つ這いの状態になります。
・その姿勢の状態で肩甲骨同士を近づけるように動かします。(背中の中心に寄せるように)
・元の状態に戻します。
・10回×3セット行いましょう。
肩甲骨との運動
・手のひらを外に向けた状態で真横に手をあげます。
・そこから肘を伸ばしながらさらに手をあげます。
・なるべく肘を伸ばした状態で頭の上で手の甲を合わせるようにします。
・10回×3セット行いましょう。
キャッチャーは膝を深く曲げる姿勢が多いポジションです。その状態から立ち上がって投げる動作を繰り返し行う事で、膝に使い過ぎや疲労による炎症を起こしやすい傾向にあります。特徴的な姿勢によって腰の筋肉が緊張状態になり、腰に痛みが出たりすることがあります。また、投球動作、捕球動作が多いため肘を痛めることもあります。キャッチャーに多い疾患を紹介します。
膝は自分の体重を支える役割があるため、守備の体勢がすでにしゃがんだ状態にあるキャッチャーは膝の屈伸運動を繰り返すことで膝関節や、半月板などに大きな負担がかかっています。さらにキャッチャーには、本塁上のクロスプレーなどによってランナーと交錯し、衝突することでアクシデント的に膝を強打して傷めてしまう可能性もあります。
これらの外傷や障害により前十字靭帯や半月板を痛めてしまうことがあります。
野球での腰椎障害は、野球肘や野球肩と同じように野球の練習や試合で発症します。
特に多い疾患として腰椎分離症、腰椎すべり症があげられます。
腰痛(腰のベルトのあたりの痛み)の場合と、お尻や太腿の痛みを出す場合があります。
痛みは腰を後ろにそらせた時に強くなります。
腰痛は10~15歳ころから生じますが、青少年から高齢者まで広い範囲にわたって腰痛や下肢痛・しびれが出ます。
多くは体が柔らかい中学生頃に、ジャンプや腰の回旋を行うことで腰椎の後方部分に亀裂が入って起こります。「ケガ」のように1回で起こるわけではなく、スポーツの練習などで繰り返して腰椎をそらしたり回したりすることで起こります。一般の人では5%程度に分離症の人がいますが、スポーツ選手では30~40%の人が分離症になっています。
分離症は10歳代で起こりますが、それが原因となってその後徐々に「分離すべり症」に進行していく場合があります。
治療
分離症があっても強い痛みや日常生活の障害なく生活できる場合が大部分です。腹筋・背筋を強化して、一般的な腰痛予防を心がけます。腰椎分離症は、初期の段階であれば局所の安静や鎮痛剤などの保存療法(手術を避ける治療)が有効です。そのためには早期に発見することが重要で、スポーツに伴って発症し、上体を後ろに反らすと誘発される腰痛が続く場合には、MRIなどによる精査が必要です。腰痛分離症は発症後早期であれば、多くの場合、保存療法のみで治癒することが期待できます。激しいスポーツに伴って発症することから、まずは原因である運動を一時的にやめることが求められます。加えて、腰部の安静を保つため硬性コルセットを使用します。こうした治療により、分離した腰椎の癒合と痛みの消失が期待されます。
腰痛や神経根圧迫によるお尻や下肢の痛みで日常生活や仕事に支障が生じれば、神経の圧迫を除去する手術や固定術が行われます。
「突き指」は野球選手にとって比較的よくあるケガではありますが、「突き指」といってもケガの程度は軽いものから重度のものまでさまざま考えられます。実際に野球で突き指を発症するシーンは、圧倒的に守備の時が多いです。特にゴロを捕球する際、両手で捕ろうとして、投げる側の手にぶつけてしまうケースです。捕球体勢に入ったとき、イレギュラーバウンドして指を突いてしまいケガをしてしまうことがあります。他にはヘッドスライディングをした際にベースで指を突いてしまったり、捕手が投球を捕球する際やファウルチップなどに投球側の指に当たって発症することもあります。加わる力の方向は、指を反らす方向(過伸展)か、あるいは横に曲げる方向です。こうした力が働くことで、靭帯損傷や骨折など、さまざまなタイプの損傷が起こります。基本的な症状としては、外力が加わった関節に、疼痛や腫れが起こります。時には脱臼や骨折が起こることで、変形がみられることもあります。
突き指をした時の応急処置
指が腫れてしまっているからとか、何となく引っ張ったら良さそうかもと思って引っ張ることだけは避けましょう。突き指をした状態はすでに関節や靱帯、筋肉、腱、骨などへのダメージが少なからずある状態ですから、そこで患部を引っ張ってしまうとよりダメージが大きくなってしまいます。突き指をした場合は引っ張ったりせずにRICE処置を行います。RICE処置とは、「rest(安静)」「ice(冷却)」「compression(圧迫)」「elevation(拳上)」の四つの頭文字を並べた処置法です。
突き指で生じる手指の変形:マレットフィンガー
治療
骨性マレットの治療は、小骨片の裂離骨折の場合、DIP関節を伸展位にて固定する保存療法が選択されることもありますが、多くの場合手術療法が行われます。
腱性マレットの治療は基本的に保存療法が行われます。
保存療法は、DIP関節を伸展位に保持するスプリントを装着します。スプリントの常時着用は装着4~6週までとし、それ以降は訓練時のみ外し自動運動訓練を実施します。
遠位橈尺関節、TFCCの機能・構造
遠位橈尺関節損傷、TFCC損傷の病態
遠位橈尺関節損傷、TFCC損傷の診断
遠位橈尺関節損傷の診断にはまず痛みの部位やどのような動作で痛みが出るのかといった症状の問診や徒手検査をまず行います。次いでレントゲンやMRIなどの検査を行います。徒手検査には以下のものがあります
治療
まず安静、固定などの保存療法を行います。急性期であれば、ギプスで1~2カ月ほど固定すればほとんどの場合症状は消失します。初期に固定できなかったなどの理由で不安定性が残り、装具を付けても生活に支障が出る場合には手術を行います。
リハビリテーション
TFCC損傷後のリハビリテーションは治療方法によって異なってきます。状態によっても、固定の期間やリハビリテーションでの禁忌事項が変化するため、医師と情報交換を行いながら進めていくことになります。
時期・状態を確認しながら物理療法を併用しつつ、運動療法として、ストレッチングやモビライゼーション、手指の運動、グリップ練習、テーピング等を行っていきます。
ボールを打った後、ベースに向かって走り、その際セーフになるためにスライディングをします。
スライディングとは足を伸ばして滑り込むことで、セーフになりやすくなります。
野球で唯一守備選手と攻撃選手のコンタクトが発生するタイミングで、そのときに足関節を捻って靭帯損傷をしてしまいます。