肩_肩こり

肩こりとは

肩こりとは、首から肩についている筋肉が硬くなり痛みなどが出る症状であり、診断名ではありません。
肩こりの訴えは日本人の女性に多いことが厚生労働省の国民生活基礎調査で明らかになっており、女性で毎回1位・男性は毎回2位となっています。
肩こりは原因疾患を認める『症候性肩こり』と、原因疾患の不明瞭な『本態性肩こり』に大別されます。
原因疾患を認める『症候性肩こり』は、頚椎症・頚椎椎間板ヘルニア・胸郭出口症候群・五十肩などの肩関節周囲炎などの整形外科疾患や、高血圧・狭心症などの内科疾患、ほかに神経内科疾患や歯科疾患など多くの病気で見られる症状です。
原因疾患の不明瞭な『本態性肩こり』は、筋肉疲労・姿勢不良・ストレス・運動不足・冷え症などでみられる症状です。

当院では、まず原因疾患の特定を行います。
その後リハビリテーションでは物理療法、リラクゼーション・運動療法・物理療法を行います。症状に応じてストレッチ、筋力訓練、関節(頚椎・上部胸椎・肩関節など)などに治療を行います。また、必要に応じて生活指導も行います。

症状の出やすい場所

症状:張った、こった、痛いなどの感じがします。 また頭痛や吐き気を伴うことがあります。
症状の出る部位:肩、背中、首のつけね、首すじ、後頭部

国民の健康状況

「2007年度・2010年度の調査で肩こりは男性2位、女性1位となっています」
「2016年度・2019年度の調査でも肩こりは男性2位、女性1位と高い訴えです」
肩こりは、男性・女性ともに起こりやすい病気です。

(世帯員の健康状況:平成25年度 国民生活基礎調査の概要 厚生労働省より引用)
(世帯員の健康状況:平成25年度 国民生活基礎調査の概要 厚生労働省より引用)
(世帯員の健康状況:2019年度 国民生活基礎調査の概要 厚生労働省より引用)
(世帯員の健康状況:2019年度 国民生活基礎調査の概要 厚生労働省より引用)


肩こりの原因

A:症候性肩こり(原因疾患が認められる)

※病名をクリックすると各解説ページに飛びます

※他にも肩こりの症状が出る、整形外科疾患、内科疾患、神経内科疾患、歯科疾患などが多数あります

B:本態性肩こり(原因疾患が不明瞭)

肩こりの原因肩こりの改善方法
筋肉疲労重い頭を首から肩の筋肉で支えるため
  • 軽い体操などで筋肉を鍛える
姿勢不良パソコン、スマートフォン操作時間の増加による頭の位置の変位(前方頭位)
  • 長時間の同一姿勢を避ける
  • 時々首や肩を回して筋をほぐす
  • 一時間に一度は立ち上がり動く
  • パソコン画面との距離の調節
前かがみ、中腰、前傾姿勢
  • 屈伸などその場で出来る軽い運動をする
ストレス気分が落ち込みやすい
  • 適度に運動する習慣をつける
  • スポーツや趣味など自分の時間をつくる
運動不足肩周囲の血流不足により、疲れやすい状態
  • 筋肉を動かす(ラジオ体操・散歩・ウォーキングなど)
冷え症首や肩の露出
  • ストールや温熱グッズで温める
生野菜
  • 温野菜、しょうが、味噌

肩こりの治療法

当院での肩こりの治療はリラクゼーション・運動療法・物理療法を中心に行います。
リラクゼーションや運動療法では頚部から肩関節周囲・背部の筋肉や関節に対してアプローチします。硬くなってしまっている筋肉や関節を緩めることで疼痛・血流の改善がされます。物理療法では頚椎牽引・温熱療法・電気療法を行います。物理療法の詳細はホーム上部の『リハビリテーション』をご覧ください。 その他にもホームエクササイズ・ストレッチ・姿勢・動作方法などの指導も合わせて行います。

肩こりの注意点

  • 原因疾患の特定が必要となります。
    問診、触診、神経学的検査、レントゲン撮影、肩関節可動域検査(肩の動く程度の計測)など行います。
  • 手足のしびれや筋力低下があれば、必要に応じて連携医療機関に紹介し精査(MR検査など)を行う場合があります。
  • 持病が影響している場合があります。

肩こりのよくある質問

Q1:リハビリテーションの治療で痛いことはしませんか?

A1:体の状態に合わせて痛みを出さないように行っていきます。
痛いままでは効果が出ませんので、確認をしながら進めていきますが、我慢せず教えてください。
肩関節周囲炎の炎症期や神経の痛みの時は、触れただけで痛いことがありますが、痛みが低下する方法を考えていきます。
筋肉の状態の改善を行う時に持続的な圧迫で痛みを伴うことがありますが、相談しながら行いますので、違う方法がよい時は申し出てください。

Q2:肩こりで調子が悪い時に頭痛が出たりするのですが、なぜですか?

A2:肩こりで出る頭痛の原因は、頸椎・後頭部の筋肉の過緊張・筋の機能不全(深部の筋肉の弱化)などがあります。
頭痛には、肩こり以外にストレスなどの影響が大きい場合もあります。また、スマートフォン・テレビゲーム・パソコンを長時間使用する人や、運転手や、無理な姿勢を長時間維持して仕事している人などによくみられます。

※いつもと異なる頭痛、日に日に頻度と程度が増していく頭痛などの場合は、「危険な頭痛」の可能性があるため、早急に専門医への受診が必要となります。

Q3:肩こりで手がしびれたりすることはあるのですか?

A3:肩~指先の感覚(触覚、痛覚、温覚、冷覚など)は首の脊椎から出ている神経に支配されています。
首の脊椎から出て指に走行する神経が、その途中で筋膜・腱膜・靭帯で囲まれたトンネルが狭くなり圧迫されて症状が出る場合があります。
症状には
・しびれ
・痛み
・感覚過敏(触られた感じが普段より強く感じます)
・感覚鈍麻(触られた感じが普段より鈍く感じます)
・時には力が弱くなったり・ぬけたり
などがあります。
また、肩こりがひどく、首から肩の筋肉の緊張が高くなるとしびれなどの神経症状が出る可能性があります。

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